FC2ブログ
--.--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2007.03.26

日常

最後のセリフが書きたかっただけの気もします。








今日も朝から店のカウンターに立ち、グラスを磨いていると珍しいお客さんが現れた。

「こんにちは、お久しぶりですね。」

黒を基本色としたスーツと鞄、帽子を取りながら私に挨拶をしてきた。

「おやおや、お久しぶりですね、一体今日はどうしたんです。」

正直に言おう、私は彼があまり得意ではない、いままでに何度か会っており、彼はいたって普通の人のいいサラリーマンにしか見えない、だがまあ色々あって彼にはあまり良い思い出が無い。

「少し貴方にお願いしたいことがありましてね、仕事が入ったのですが相方を一人見つけていただけないかと思いまして。」

仕事、とは彼の場合は大抵が荒事である、言ってしまえば彼は対能力者用の便利屋みたいなものである、かく言う私も似たようなことをしていたりするが、私の場合は人探しや何かが主な仕事であり、あまり荒事には興味が無い、というか痛いのは出来れば勘弁したい。

「貴方に見合うだけど人ですと、私はあまり知りませんよ、私か彼女が行ければいいのですが何分そういうわけにも行きませんので。」

と言って少し考えてから彼に聞いてみる。

「人一倍元気で、どうしようもないくらい暇な奴がいますがそいつでいいでしょうか。」

「今回の仕事はさほど大きいものでは無いので別に誰でもかまいませんよ、ただし一応身の危険は自分で守れる方がいいのですが。」

「そこについては一応私から保障しておきます、頑丈さにかけては彼はなかなか優秀ですから、それでは少しお待ちを。」
胸ポケットに入っている携帯電話を取り出し、電話をかける、ワンコール、ツーコール、

「はぁー、もしもし、どなたですかぁー。」

電話の向こうではまだ寝ぼけた声で返事をする若者がいる。

「あ、もしもし、私ですが仕事が入ったんでよければどうかと思いまして。」
そう告げたとたんに急に相手は元気になり始めた。
「あおお、死体さんじゃないですか、仕事ってなんです、相手は、給料はどれくらい出るんでしょうか。」

「死体さんって、あまりその名前で呼んで欲しくは無いんですけどねぇ、まあとりあえず仕事はB・Jさんのお手伝いですよ、大体これで意味はわかるでしょう、給料は当人に聞いて下さいよ、今かわりますので。」

と言って目の前のスーツの男性と電話をかわる。

「明日の23時にこの店の前に来ていただけますかね、給料につきましては成功報酬の半分でよろしいでしょうか。」

何やら会話が交わされている、何やら凄い桁の数字が出たり、近くにある暴力団の名前も出たりしているが今回は私には関係ないだろう。
1、2分で会話は終ったようだ、とりあえず23時に私のカフェの前で待ち合わせして色々やってくるらしい。

「今日はどうもありがとうございます、出来ることならまた貴方と一緒に仕事をしたかったのですが、またの機会ということにしましょうか。」

不吉な言葉と2枚ほど紙幣を置いて彼は暗い路地裏へと消えていった。


またガラス磨きに戻ろうとしていると裏から彼女が出てきた。

「あのオッサンまた相方亡くしたのかね、やっぱりアンタみたいな人が1番合ってるんじゃないか。」

などと微笑みながらこっちを見てくる。こいつは私がなぜあの人が苦手かを知っているのに、憎たらしい。

「彼の音楽が止まるまで延々とミンチになるまで殴られるのはもう二度と御免ですよ。」

このセリフが聞きたかったらしく、ヒヒッと笑いながら彼女はまた裏へと戻っていった。
スポンサーサイト
この記事へのトラックバックURL
http://stifff.blog71.fc2.com/tb.php/4-717e3e25
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。